Windows上でArduino開発環境の作り方を記述します。
IDEとボードライブラリ、モジュールライブラリのインストールとバージョン更新方法についてまとめました。
記事の目的
この記事ではWindows上でのArduino環境の作り方を記述します。
・ArduinoIDEのインストール(Ver2系)
・ボードライブラリのインストール
・モジュールライブラリのインストール
ボードライブラリでは代表してRP2040のインストールをします。
ESP32、nRF52840、Teensy、CH32Vxxx 他、こちらにまとめて記載します。
ArduinoIDEのインストール(Ver2系)
ArduinoIDEのインストールは次の2ステップで実行します。
1.サイトからインストーラをダウンロード
2.インストーラを実行してインストールする
サイトからインストーラをダウンロード
Windowsインストーラを以下Arduinoサイトからダウンロードします。
(サイトは2024年2月の時点での画像です)
Arduino – Home (Arduinoホームページ)
赤枠「SOFTWARE」をクリック

赤枠 「Windows Win 10 and newer, 64bits」 をクリック

寄付とニュースレターの配信登録は任意です。
赤枠の「JUST DOWNLOAD」をクリックします。

以上でインストーラのダウンロードは終了です。
インストーラを実行してインストールする
ダウンロードしたインストーラを実行します。

インストーラを起動したら赤枠を順次クリックします。
同意事項のクリックは契約書をよく読んで判断してください。
インストール先は任意のフォルダに変更することができます。

「Arduino IDEを実行」にチェックが入った状態で「完了」をクリックすると、引き続きArduinoIDEが起動します。
後で起動する場合は、Windowsのスタートメニューから「Arduino」を検索して起動します。
初回起動時はWindowsDefenderによりブロックされるので、個々のセキュリティポリシーの判断で「アクセスを許可する」をクリックします。

ArduinoIDEが起動しました。
以上でArduinoIDEのインストールは完了です。

AVR系基板(Arduino UNO や Arduino NANOなど)はこのまま開発することができます。
他のマイコンボードや追加のモジュールを使用する場合は引き続きボードライブラリとモジュールライブラリのインストールが必要です。
ボードライブラリのインストール
ArduinoIDEには標準でAVR系マイコンのライブラリがインストールされていますが、Arduino環境で使用できる他のマイコンボードのライブラリインストールについて記述します。
今回代表としてRP2040系ボードライブラリのインストールをします。
ボードライブラリのインストールは次の2ステップです。
1.ボードライブラリのDL元の登録
2.ボードライブラリマネージャから検索してインストール
最後にボードライブラリのバージョン変更とライブラリの削除について記載します。
ボードライブラリのDL元の登録
ArduinoIDEを起動しFileメニューのPreferences…をクリックします。
Preferences画面が表示されるので、赤枠ボタンをクリックします。

「Additional Boards Manager URLs」 に、RP2040のDL元URLを入力し「OK」をクリックします。
RP2040のURLは以下です。
https://github.com/earlephilhower/arduino-pico/releases/download/global/package_rp2040_index.json

以上でRP2040マイコンのURL DL元の登録は完了です。
RP2040以外のボードURLはこちらに記載します。
ボードライブラリマネージャから検索してインストール
ToolメニューのBoard -> Boards Manager… をクリックします。
(または、画面左のフォルダアイコンをクリックします。)
ArduinoIDEの画面左側に赤破線枠のBOARDS MANAGERが出現します。
同じ操作をすることでBOARDS MANAGERは消えます。

BOARDS MANAGER下の入力枠に 「RP2040」と入力します。
スクロールバーを上下させて赤破線枠の「Raspberry Pi Pico/RP2040 by Earle F.Philhower, III」を探します。
INSTALLボタンをクリックすると、ボードライブラリのインストールが開始されます。

ToolsメニューのBoardに「Raspberry Pi Pico/RP2040」が追加されました。
この下位メニューにはRP2040搭載基板の一覧が表示されますが、ここでの説明は省略します。

以上でボードライブラリの追加は完了です。
ボードライブラリのバージョン変更とライブラリの削除
ボードライブラリのバージョンをアップグレード/ダウングレードします。
バージョンはアップグレードもダウングレードも可能です。
新しいバージョンを使うことで期待できるメリットと、デメリットの可能性があります。
メリット
・バグが修正されている
・新しい関数や機能が増える
・使用できる開発基板の種類が増える
デメリット
・新しいバグが発生する
・これまでコンパイルできていたプログラムにエラーが発生する
・これまでと動作が変わってしまう
元のバージョンへ戻すことができるように現在のバージョンをメモしておくことが大切です。
ボードライブラリはインストール済みでRP2040マイコン(Raspberry Pi Pico/RP2040 by Earle F.Philhower, III)について実施します。
ToolメニューのBoard -> Boards Manager… をクリックします。
(または、画面左のフォルダアイコンをクリックします。)
Raspberry Pi Pico/RP2040 by Earle F.Philhower, III のVersionコンボボックスをクリックするとインストール可能なバージョンのリストが表示されます。
任意のバージョンを選択し、「UPDATE」ボタンをクリックします。

ボードライブラリの更新はこれで完了です。
ボードライブラリを削除します。
ボードライブラリはインストール済みでRP2040マイコン(Raspberry Pi Pico/RP2040 by Earle F.Philhower, III)について実施します。
ToolメニューのBoard -> Boards Manager… をクリックします。
(または、画面左のフォルダアイコンをクリックします。)
Raspberry Pi Pico/RP2040 by Earle F.Philhower, III の現在インストール済みバージョン(赤枠 3.7.0 installed)にマウスカーソルを重ねると「REMOVE」に変化するのでクリックします。

削除の確認に「YES」をクリックするとライブラリを削除します。

ボードライブラリの削除はこれで完了です。
モジュールライブラリのインストール
Arduino環境で使用するモジュールライブラリは2種類のインストール方法があります。
・ArduinoIDEからインストール
・Zipファイルからインストール
それぞれの方法について記載します。
今回代表としてLCDモジュール ST7735を使うためのライブラリをインストールします。
ArduinoIDEからインストール
ArduinoIDEからモジュールライブラリをインストールする方法を記述します。
ArduinoIDEからのインストールは手軽に行うことができます。
ToolメニューのManage Libraries… をクリックします。
(または、画面左の本(かな?)アイコンをクリックします。)
ArduinoIDEの画面左側に赤破線枠のLIBRARY MANAGERが出現します。
同じ操作をすることでLIBRARY MANAGERは消えます。

LIBRARY MANAGER下の入力枠に 「ST7735」と入力します。
スクロールバーを上下させて赤破線枠の「Adafruit ST7735 and ST7789 Library by Adafruit」を探します。
INSTALLボタンをクリックすると、ボードライブラリのインストールが開始されます。
※ライブラリの種類によっては依存関係のライブラリを同時にダウンロードする必要があります。
必要なライブラリと、無くても動作するライブラリがありますがここで選ぶことはできません。
基本的には「INSTALL ALL」をクリックしますが、稀にほかのスケッチのコンパイルができなくなることがあります。

FileメニューのExamplesに「Adafruit ST7735 and ST7789 Library」が追加されました。
ST7735 または ST7789 を使ったLCDのサンプルはこの下位メニューの一覧から参照することができます。

これでモジュールライブラリのインストールは完了です。
Zipファイルからインストール
一部ライブラリマネージャからインストールできないライブラリ(リストに表示されない)もあるので必要になることがあります。
今回代表としてLCDモジュール ST7735を使うためのライブラリをインストールします。
Zipファイルの入手
ほとんどのZipファイルはArduinoIDEのLIBRARY MANAGERから保存先へジャンプすることができます。
LIBRARY MANAGERからST7735を検索し、「Adafruit ST7735 and ST7789 Library by Adafruit」の「More info」をクリックすることで、保存先githubへジャンプします。

githubの操作方法は省略します。
「Code」をクリックし展開したメニューから「Download ZIP」をクリックします。
ファイルブラウザで保存先とファイル名を入力して保存します。

Zipファイルのインストール
SketchメニューからInclude Library -> 「Add .ZIP Library…」をクリックします。
ファイルブラウザからダウンロードしたZipファイルを選択し「開く」をクリックします。

これでモジュールライブラリのインストールは完了です。
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