【Arduino】電子工作で便利なモジュール類(UART変換モジュール)

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電子工作の有ると便利なモジュールを紹介します。
無くても工夫で乗り切ることもできますが、開発時間の短縮や開発のしやすさが期待できます。
マイコンとパソコンと通信で役立つUART変換モジュールを使います。

UART変換モジュール

簡単紹介

マイコンのUART入出力をUSBシリアルに変換します。
デバッグ情報の出力、マイコンへの指示、状態確認などの電文入出力など。
出力ピン(3.3V、5)により、マイコンに電源を供給できます。

◆FTDI FT232RL

所有しているのはMiniタイプのコネクタ。
他にもMicro BやType Cもあるようです。

VCCの出力電圧はジャンパピン位置で設定します。

◆GAOHOU CP2102 STC

TypeAオスコネクタ。
パソコンにドングル接続したりUSB延長ケーブルでパソコンと接続できます。
電源出力に3.3Vと5Vを同時に使えます。

◆Waveshare USB-TO-TTL-FT232

Waveshare製、FTDIのFT232RNLを使用。
ロジックレベルは3.3Vが標準で、パターンカットとショートで3.3Vに変更できる。


◆CH340E

小型のUSBシリアル変換基板で、電源出力に3.3Vと5Vを同時に使える。

外観

◆FTDI FT232RL

◆GAOHOU CP2102 STC

◆Waveshare USB-TO-TTL-FT232

◆CH340E

ピン配置

◆FTDI FT232RL

◆GAOHOU CP2102 STC

※ピン配置表はシルク表示と違い、実際の機能に対して作成しています。
GAOHOUのRX表示はTXで、TX表示はRXの動作をします。

◆Waveshare USB-TO-TTL-FT232

◆CH340E

使ってみた

◆ロジックレベル

ロジックレベルが3.3Vのものと5Vで通信します。
今回使ったモジュールを全網羅で組み合わせて通信したところ、どのモジュールも通信相手のロジックレベルに関係なく送受信ができました。

FT232RL
3.3V
FT232RL
5.0V
GAOHOUUSB-TO
TTL-FT232
CH340E
ロジックLV3.35.03.33.35.0
3.3V
5.0V

UART変換モジュール同士では電圧差を吸収できる設計になっているようですが、マイコン相手になると正確に送受信できなかったり破損するリスクがあるので、マイコン側の仕様を確認したうえで適切なモジュールを選択したいところです。

ほとんどのマイコンが3.3Vから5Vなので、どちらでも対応できるようにそろえておきたいです。

◆使ってみて

FT232RLはとWaveshareのUSB-TO-TTL-FT232は、ロジックレベルを変換できるモジュールです。
USB-TO-TTL-FT232は半田作業が必要で今回試していません。
FT232RLはジャンパピンの付け替えだけで変更できる手軽さがあり使いやすいと感じます。
VCCの出力電圧も一緒に変わるので、電源に使う場合受け側の許容電圧に注意が必要です。

GAOHOU CP2102 STCは唯一TypeAコネクタのモジュールです。
データ転送のできる延長ケーブルを使うことで他のUARTシリアル変換モジュールと同じように延長して使えます。
延長ケーブルはリールタイプを入手しやすいので、机上の作業では重宝します。
また、電圧出力は3.3Vも5Vも両方同時に使うことができるので許容電圧の違うモジュールが組み合わさっているプロジェクトでも対応できます。

CH340Eは特別な特徴はありませんが、ピンのシルクが一番見やすい。
他のモジュールはピンヘッダの樹脂に隠れてしまい読みにくいものがほとんどですが、シルクの読み取りやすさは普通に助かります。

準備

スマートフォンアプリ

スマートフォンを使ったUARTをしない場合は不要な作業です。
スマートフォンはAndroidで作業します。

UART変換モジュールとの通信にスマートフォンアプリ「Serial USB Terminal」を使用します。
インストール後のセットアップ例を記載します。
アプリケーションを起動後、UART変換モジュールを接続すると「Serial USB Terminal」からメッセージが表示されます。
「OK」をタップした後ボーレートの設定を行い、UART変換モジュールと通信を開始します。

通信相手側との通信速度(ボーレート)の設定です。
115,200bpsで通信します。

作業

UART TX出力

説明

USB-UART変換モジュールのTXから出力される信号をオシロスコープでモニタします。
USB-UART変換モジュールとの通信はパソコンからTeratermを使って行い、UARTのTXピンとGNDピンをプローブします。
Baudrateは115,200bps、”A”を入力した波形をモニタします。

配線

配線は各UART変換モジュールのTXとRX, RXとTXを接続します。
代表してFT232RLとCH340Eの配線図を掲載します。

結果

UARTから”A”を出力した時の波形です。(Baudrate 115,200bps)
各モジュールで3.3V、5V出力の波形が確認できます。

UART RX入力

説明

USB-UART変換モジュールのRXに文字コードを入力します。
ロジックレベルの違うマイコンからの信号を受信できるか確認します。

多くのマイコン基板のロジックレベルは3.3Vまたは5Vです。
ロジックレベルの違うマイコンに見立てたFT232RLを使い、3.3Vと5Vの時の”A”から”Z”までのコードを入力します。

送信側、受信側ともにTeraterm、Baudrate=115200で実施します。

配線

配線は各UART変換モジュールのTXとRX, RXとTXを接続します。
代表してFT232RLとFT232RLの配線図を掲載します。

結果

作業の様子です。
Teraterm左は送信側に使用したFT232RL、COM3で認識されました。
Teraterm右は受信側に使用したFT232RL、COM30で認識されました。
COM3側から”ABC…XYZ”までを入力し、受信側に同じ文字列が表示されました。

結果です。
試したすべてのモジュールで3.3V、5.0Vの受信ができました。
どの組み合わせでも通信できていますが、使用するマイコンやモジュールにより正常な通信ができなかったり、破損することもあります。
使用前に仕様、耐用電圧を確認してから使用します。

FT232RL
3.3V
FT232RL
5.0V
GAOHOUUSB-TO
TTL-FT232
CH340EESP32
Downloader
ロジックLV3.35.03.33.35.03.3
3.3V
5.0V

パソコンとスマートフォンとのシリアル通信

説明

PCとスマートフォン(Android)でUART通信をします。
普段はマイコンのUARTをパソコンと通信するための変換に使用していますが、パソコン同士やパソコンとスマートフォンとの電文送受信にもUART変換モジュールを使用できます。

この作業にはスマートフォンアプリを使います。

パソコンとUART変換モジュール、スマートフォンとUART変換モジュールを接続します。
UART変換モジュール同士を配線して、パソコンとスマートフォンの双方のアプリケーションから電文の送受信します。

配線

配線は各UART変換モジュールのTXとRX, RXとTXを接続します。
代表してFT232RLを使った配線図を掲載します。

スマートフォンのUSB(TypeCメス)には変換ケーブル(TypeCオス – TypeA メス)を使用します。

結果

パソコン側のUART変換モジュールは「COM3」で認識されました。
スマートフォンから”tamanegi”を送信すると、Teraterm上に”tamanegi”と表示されました。
Teratermから”Hello world!!”を送信すると、スマートフォンの「Serial USB Terminal」上に”Hello world!!”と表示されました。

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