【レビュー】ロジックアナライザ nanoDLA

review

安価なロジックアナライザを使ってみました。
プロトコル解析の設定が大変だったので手順を記載します。

記事の内容

USBドングルタイプのロジックアナライザnanoDLAを使ってみました。
デジタル信号のOFF/ONのデータ計測を行う

主な記事の内容は
・デジタルアナライザを使った通信データの確認
・セットアップ(Windows)

こんな方にお勧め
・高速、大量のデジタルデータの解析をしたい方
・通信プロトコルのデータチェックをしたい方

デジタルアナライザ

特徴

データの読み取りをデジタルアナライザが行い、データのロギングと解析はパソコンで行います。
解析ソフトはマイコンで行う通信プロトコルの多くが対応しています。

サンプリングレート20kHz to 24MHz
サンプリングポイント100 to 1T
チャンネル数8ch

外観

ドングルタイプで小ぶりな筐体に収まっています。
パラレルタイプのピンヘッダから信号を入力します。
ジャンパワイヤのメスーオス、またはメスーメスが必要です。

準備

nanoDLAを制御するためにコントロールアプリケーションPulseViewを使用します。

PulseViewの準備は次の2ステップで行います。
1.ダウンロードサイトからPulseViewをダウンロードする
2.パソコンにPulseViewをインストールする

1.ダウンロードサイトからPulseViewをダウンロードする
PulseView ダウンロードサイト : https://github.com/wuxx/nanodla

2.パソコンにPulseViewをインストールする
ダウンロードしたファイルを適当なフォルダに展開します。
インストーラを実行します。

※注意
インストーラ実行時にセキュリティーメッセージが表示されることがあります。
実行の可否は自己責任で判断してください。

使ってみる

説明

マイコン間通信でよく使われるUART信号を見てみます。

通信はRaspberryPi Picoを2枚使ってUARTの対向通信をします。
画像はUARTを使った接続です。

配線

作業

UART信号を解析するためのPulseViewの設定方法を記載します。
UART信号を解析するまでの手順は3ステップで行います。

1.nanoDLAの接続
2.UARTプロトコルの設定
3.サンプリング開始

1.nanoDLAの接続

配線作業の後nanoDLAをパソコンに接続し、PulseViewを起動します。

接続端末が「sigrok FX2 LA (8ch)」以外の場合、「▼」のリストから選択するか「Connect to Device…」によりダイアログから選択します。

Connect Deviceダイアログでは、「Step 1:Choose the driver」の一覧から「fx2lafw (generic driver for FX2 based LAs)(fx2lafw)」を選択します。
「Scan for devices using driver above」ボタンをクリックします。
「Step 4: Select the device」の「sigrok FX2 LA (8ch) with 8channels」を選択して「OK」をクリックします。

注意:「Scan for devices using driver above」をクリックしても「Select the device」に「sigrok FX2 LA (8ch) with 8channels」が表示されないことがあります。
一度アプリケーションを終了し、「nanoDLA」を抜き差しし直すなどすると復旧することがあります。

2.UARTプロトコルの設定

UARTプロトコルに設定します。

UARTマークをクリックし、信号ピン他ボーレート、変換形式を設定します。
サンプリングレートは250kHz、サンプリングポイント数は1Mポイントにします。
サンプリング時間は逆算で4秒です。

ポイント
ボーレートは115.2kHzなので、サンプリングレートは最低でも2倍以上のレートが必要です。

1Mポイント ÷ 250kHz = 4秒

3.サンプリング開始

「Run」ボタンをクリックするとサンプリングが開始されます。
図右側は”tamanegi”をTXから送信した様子です。
右下は”t”を拡大したところで、UART解析でも”t”の送信が確認できました。

まとめ

Good

安価でデータロギングができる
通信プロトコルの解析ができる

Bad

セットアップが煩わしい

そのほか

信号解析は準備が面倒です。
これは専用機を使った時でも同じですが、ピン1本ずつの設定のほか通信設定を間違えると正しい解析ができません。
デバッグ対象の通信が間違っているのか配線が間違っているのか、またはロジックアナライザの設定が間違っているのかわからないので慎重に作業する必要があります。

マイコン開発をすると机の上が片付くことがないのですが、今回のドングルタイプのアナライザでは机の上の作業状態があまり散らからなくて助かります。
専用機は存在だけで面積を取ります。

コメント

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