YD-RP2040の修理<電子工作>

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RaspberryPi Picoの激安互換基板YD-RP2040を購入しました。
いくつかトラブルがあったので修理した内容を記事にします。

記事の目的と内容

購入したYD-RP2040を使っているといくつかトラブルがあったため修理した内容を記載します。

以下のトラブル内容を対応しました。
・USBから電源供給による起動ができない
・WS2812が点灯しない
・アナログ入力の読み取り値が異常

USBから電源供給による起動ができない

症状

USBコネクタからの電源供給では、PowerLED(赤)が微弱な点滅をする挙動をする。
以前に書き込みを行ったスケッチも動作をしていない。
パソコンからUSBで接続をしているがCOM認識できない

補足ですが、この製品の4MByteと16MByteを所有しています。
4MByteだけ2個同じように壊れてしまった。

確認したこと

VOUTの電圧を測定した
正常であればおおむね5V出力だが、結果は0.69V。



VINから5Vを供給した
・スケッチは動作する。
・パソコンからもCOM認識する(スケッチの書き込みもできる)

考察
>VINからの電源供給でスケッチが動作することから、CPUは壊れていない。
>VOUTの出力が約5Vではないことから、USBから5Vを供給する経路のどこかで電圧降下が発生している。

回路図確認

USBからの供給とVINからの供給を出力する整流器があり、その出口で電圧降下が発生している。
VBusでは4.99V、Vout では 0.69V。


入力側は5Vあるので、USBコネクタからここまでは正常。
整流器のVoutの電圧と基板のVoutの電圧が同じなので整流器の故障であると特定した。

交換作業

準備

画像名称用途
整流器
BAT54 KL3
交換部品
AliExpressで\120/100個で購入
はんだごて部品はがし、半田作業
はんだ半田作業
ピンセット部品はがし、部品固定
はんだ吸い取り器余剰半田の吸い取り
ブレッドボード基板の固定

作業

1.部品はがし

3ピン部品なので、3か所同時にはんだを溶かします。
はんだごてが2本あれば、左右から挟むよう加熱することで簡単にはがすことができる。

はんだごてが1本の場合は2ピン側に少し多めの半田を盛り付ける。
半田が固まらないうちに1ピン側を溶かすと部品をずらすことができる。

はんだを多く盛りすぎると、放熱面積が増えて固まってしまうのでほどほどに。
手早く反対側を軽く押しながら溶かすとズレてくれます。

注意
半田が溶ける前に力で押しのけるとパターンがはがれることがあります。
または、半田が溶けた時に滑って別の部品とくっついてしまうことがあります。

パターンにはんだが残っていると部品を載せにくいので、はんだ吸い取り器で吸い取る。

2.部品の取り付け

パターンの上に部品をずれなく配置したら、ピンセットで軽く押さえながらはんだごてを当てる。
ここでは仮固定なので、半田が溶けたと確認出来たらすぐにはんだごてを離す。

残り2か所をきれいにはんだができたら最初の1か所目をもう一度はんだを当てなおして整形する。
この整流器は熱に弱いのか、作業がモタついた1回目と2回目は通電後1分ほどで作業前と同じ現象が発生した。
3回目の取り付けは1か所あたり2秒程度で作業を行ったら基板は正常に起動しました。

結果

USBからの電源供給からでもスケッチが動作するようになり、COM認識もされるようになった。
VOUTからも5V弱の出力があり、ほかの正常品と同等となった。

4MByte品2個とも同じ部品の交換で直りました。


WS2812が点灯しない

症状

WS2812を点灯させるスケッチを書きこんだが点灯しない。

確認したこと

RGBパターンの目視確認
下図RGBシルクのパッドパターンを確認するとオープン状態。
※画像は修正後

作業

1.パッドパターンのショート

RGBパッドをショートさせます。
半田をパターンに盛り付けます。

アナログ入力の読み取り値が異常

症状

ADCの読み取り結果が異常。
下図はYD-RP2040のADC(GPIO28)に0Vから3.3Vまで約0.5秒で上昇し、3.3Vから0Vまで約0.5秒で加工する三角信号を入力しました。

正常な読み取りならADCが0から1023、1023から0へ変化する三角の波形になります。

確認したこと

VREFパターンの目視確認
下図VREFシルクのパッドパターンを確認するとオープン状態。
※画像は修正後

数はVREFパターンの拡大。
撮影のために半田をはがしました。

作業

1.パッドパターンのショート

VREFパッドをショートさせます。
半田をパターンに盛り付けます。

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